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カノキド小説

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「…ダメ。…お金がないのは本当だし、…迷惑かけちゃうの、やだ」
「迷惑って…!」
言葉に詰まる。
僕が何を言っても、最後はつぼみの判断なんだ。
…僕が、介入しちゃいけない。
「……わかった。つぼみが言うなら、黙ってる」
「…ありがとう。おにぎり、美味しいよ」
つぼみはまた少しだけ笑う。
…どこかやつれた顔で。
「…つぼみ、…その」
「ごめん。もう倒れないし、迷惑かけない。」
ごくん、最後の一口を飲み込んでつぼみは言った。
「だから、もう気にしないで」
「…」
拒絶、された?
「…ごめん。私、もう帰るね。おにぎりありがとう」
「つぼみ…!」
つぼみはこちらを振り返らず、強張った顔で歩いて行った。
僕はただ、見送るしかなかった。



その日から、つぼみは段々と元気が無くなっていった。
僕は何もできず、ただつぼみの手を握るしかできなかった。

自分の無力さを、呪った。

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