#15
倉庫まで道を作るようにはけた奥に見えたのは、倉庫の中で私に振り返る及川さんと、多分及川さんのジャージを着て蹲(うずくま)り泣きじゃくる白崎さんの姿。
背中に嫌な汗が伝った。
「ちょっとこっち来てもらっていいかな、彩雨ちゃん」
「…はい」
いつもの優しい声色とは打って変わって聞いたことのないくらいの低い声で私の名前を呼んだ及川さんは、もう笑ってすらいない。
何があったんですか、また私ですか。何もやっていないけど言ったってどうせ信じてくれませんよね、その様子では。
痛い視線を全身に浴びながら及川さんの横に立って蹲る白崎さんを見下ろした。
「何が起こったか、わかる?」
「…わかりません」
「嘘つけよ」
「黙ってて金田一」
やだなあ、今日はやけに喉が乾く。
瞳を閉じた及川さんが、すうっと息を吸って言った。
「優ちゃんがここで襲われかけた」
ゆ め か き ___ ✍🏻 ち き ん 🐓 🍴 ...