最終話
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音だけで、全てが全て想像だった世界。
色もなければなにもない。
追いかけるものも何もない。
全て、彼が教えてくれた。
色は気持ちと同じで。
物は音があふれる。
彼はひとりだけ。
「紬、」
こうやって呼ぶのも彼だけで。
この声しか私にはないのだ。
きっと、最初から最後まで私の好きな人は彼しか当てはまらない。
「賢斗、」
「何してたの?」
「考え事」
「なに?」
「…なんでもなーい」
「…、紬は余計なこと考えなくていいんだよ」
「余計じゃないよ」
「何考えてたの?」
こんな気持ちにさせてくれたのも。
触れさせてくれたのも。
好きになれるのも。
声が聞きたくなるのも。
彼がはじめ。
「賢斗が好きだなーって」
「…、知ってるし」
今の私がいるのも。
────“アナタがいたから”
End
真。(活動お休み
ゆるり。ふわり。ひらり。