心拍数#0822(3)
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そして、今。
僕は日本の医者からの勧めでアメリカにある総合病院で入院している。
『はぁ…つまんないなぁー…』
僕はそう言って、窓から外の景色を見ていた。
なんせ、日本人は僕だけだし、話し相手いませんから。
見るのに飽きた僕は黙って病室から抜けだした。
『抜けだしたとしても、何もすることないしなぁー…』
ボーッとしながら歩き、角を曲がろうとした時、ドンッと人とぶつかってしまった。
『うわっ!』
「うぉ!」
床に倒れそうになった時、ぶつかった人が僕の手を掴んで僕を立たせてくれた。
「大丈夫か?」
『えぇ…ありが…え?日本語?』
顔を上げると、ぶつかった人の顔はちゃんとした日本人だった。
これが僕とシュウの出会い。
『に、日本人だー!!やったー!!』
「はぁ?」
『僕、染井夏葉!君の名前は?』
「虹村修造…」
『じゃあ、シュウだね!』
「は?」
僕はシュウの手を掴んでぶんぶんと腕を振った。
名無しさん