心拍数#0822(5)
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それから、シュウは約束通りに毎日僕の病室に訪ねてくる。
もちろん、僕はシュウに僕の病気の事も話した。
「お前…辛くないのか?生まれてからずっと病院なんだろ?」
『まぁね。でも、辛くないよ。前まではあっち(日本)の人たちと仲良くしてたし、今はシュウと仲よくしてるし』
「そうか…俺もそんな風に言われると嬉しいよ」
シュウは微笑みながら僕の頭を撫でた。
その時、僕とシュウの間にハラリと数本の髪が落ちた。
『「え…」』
僕とシュウは次に出す声が出なかった。
恐る恐る僕は自分の髪を手でとくと、何十本の髪が抜け落ちた。
『ついに来たかー…』
「もしかして…副作用か?」
『あぁ…。でも、僕はこんだけで挫けないよ!よっし!可愛いニット帽買おう!』
「ははっ、お前らしいな」
こんな小さな不幸でもシュウと一緒ならへっちゃらだ。
名無しさん