黒ラノ
「何すんだ、下ろせ」
「無理」
古橋は山崎が乗り込んだ途端に車を発進させる。遠ざかる海を横目に、俺は山崎をぶん殴った。
「いで! ちょ、花宮! 何で殴るんだよ!」
「せめて説明くらいしろ。どこに連れていく気だ」
「あの子の墓場だ。いつまでも現実逃避してないで別れを言ってこい」
「余計なお世話だ、バァカ」
タイムスリップする前なら現実逃避していたかもしれない。けど今は落ち着いていて、自分が今すべき事を早く実行に移したかった。
もしかしたらこれもタイムスリップした理由かもしれない。
俺は腕を組んで外に視線を向けた。
「つか、何でお前ら俺の居場所が解ったんだ」
不意に疑問に思った事を尋ねてみる。
「……怒るなよ?」
隣の山崎が声をひそめて俺に念を押した。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...