ブレイクタイム 依頼―3
「その昔、私が高校生の頃好きな人がいたんです。一目惚れではなく徐々に好きになったというか...とにかく私にとっては初めての恋で」
懐かしむように上を見上げる女性
「その人は音楽部の先輩で...人柄も演奏も素敵だった。私、元々引っ込み思案なもので自分の想いを伝えられずにそのまま時間を過ごしてました。―仲の良い先輩と後輩として。でも、一緒にいられる時間は永遠じゃなかった」
そこで少し女性の表情がかげる
「先輩が高校卒業後にウィーンへ音楽家になるために留学することになってしまって...今の世の中と違って当時はケータイなんてありません。国際電話や手紙なんて方法も分からなければお金だってバカにならない。先輩がウィーンへ行ってしまったらもう連絡をとることすらできません。私はとても悲しみました」
女性が顔をあげる
*無断転載や自作発言は禁止です お絵描きしますソルトです 8割創作たまに版権を描くことも 青い鳥さんが主な生息地 ふらっとイラスト投...