怖い話
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女子寮
薄暗い廊下を、懐中電灯の光が照らしていた。
カンカンと、靴音だけが響いている。
静寂の夜、私は女子寮の管理人として夜中の見回りを行っていた。
季節は秋口、羽織っていたベージュのカーディガンだけでは肌寒く感じた。
私が管理人を務めるこの女子寮は、大学の敷地内に建つ四階建ての薄桃色の寮だった。
今、私が見て回っているのは三階の廊下だ。四階から、階段を使って下へ降りながら、各フロアを巡回して回っていた。
パタパタと、紙が揺れていた。懐中電灯の照らす先には、この寮の注意書が書かれている。
ー19時以降、外出禁止
寮内への、男性の入室を禁ず
21時までに入浴を済ませること
屋上への立ち入りを…
後半が破けて読めなくなっていた。
風でなびいているということは、どこか窓が開いているのかしら。