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卒業する君へ、#6
投稿日:781 0 376.
ほんとは私も欲しかった先輩の第2ボタン。
でも…、あんな可愛い子になんて勝てっこないよ、
そう思うと溢れだしそうになる涙。
どうしてもそんな姿を先輩に見せたくなくて、私は荷物を持って先輩の前から走り去った
「…っ、」
走りながら、我慢していた涙が頬を伝う。
私の方があの子より一緒にいた時間長いのに、
私の方があの子より先輩のこと知ってるのに、
そんなこと思っても全てが無駄。
こんな何も取り柄のない私より、きっと先輩はあの可愛い女の子を選ぶに違いないんだから、
「本気…、だったのになあ…っ、、」
走ったせいで息を切らしながら私は一人でそう呟いた。
せめて想いは伝えられなくても明日の卒業式で"卒業おめでとうございます"くらいは言いたかったな、
でもあんな顔を見せてしまった後だから先輩に合わす顔なんてない。