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月島蛍×彼女 小説

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私は走った。少し行った所で簡単に蛍に捕まった。
「勝てると思った?」
私は黙ったまんま俯いた。
「咲と知り合い?」
「うん。」
「友達?」
「……」
あー、駄目だ。蛍に迷惑かけちゃった。
「おいで」
蛍が優しく抱きしめて頭を撫でた。まるで泣いていいよって言ってるみたい。私は彼にすがった。
「中学の時、同じバレー部だった。咲は優しくていい子だった。けどーー」
蛍は撫でてる手を止めた。
「助けてくれなかった」
「……イジメ?」
「うん」
「だからボール触りたくないの?」
私は頷いた。本当はバレーがしたい。
「バレーはしたいよ?でも……」
私の頬に冷たいものが伝わった。

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