声に恋して、恋されて ♡10
すると、彼の前を物凄いスピードで自転車が通った。
危なかったったから助けてくれた?
と思っていると、その瞬間白いフードをかぶった人がその自転車の後輪を蹴り、大きな音をたてて乗っていた黒服の男の人が路上に倒れた。
○○「…ッ!?!?」
怖くて、藤井くんの服をギュッと掴み、その様子を後ろから覗く。
『おい!!そのカバン返せや!何してんねんお前!!』
白いパーカーの彼がどギツイ関西弁で黒色のひったくりらしき男の人の胸ぐらを掴んで睨みをきかせていた。
こ、こわ…
ひったくりも私と同じことを思ったんだろう、白い小さなカバンを彼に震えながら渡し、逃げるように慌てて自転車を漕いで帰って行った。
『…ったくしょうもない…』
そう彼は呟き、そのカバンの持ち主に顔を合わせずに渡すと、お礼を言ってるその人に背を向け、ランニングで行ってしまった。
🔽open🔽 皆さんみたいな素敵な方々と絡めるって 本当に奇跡的だし、当たり...