第12話 蕾をつつく~記憶開花篇~
「小百合!!」
良く笑う口元。よく伸ばしてくれた手。2本の刀がカチャカチャと音を立てる。呼び捨てで名前を言う、女の子らしい柔らかい声────
(私は、知ってる。────知ってる?)
ある光景が、小百合の頭の隅に、微かに、映る。
(・・・)
視界には入っている。そこに何があるか分かっている。
なのに。視点をそこに合わせると、"それ"は消えてしまう。
(分からない。分からないなら、答えは探すべき。)
記憶喪失になり、自分のことについて何も解らない小百合にとっては、"それ"の答えは、記憶と何か繋がりがあるらしかった。
「うん」
小さく虚ろな返事をして、小百合は先に走り出した彩月に慌ててついていく。
────暗闇にある百合の花の蕾が、チリン、と揺れた。
銀魂、文豪ストレイドッグス、BLEACHめっちゃ大好きです! ч(゜д゜ч)ぷり〜ずふぉろ~ 青い鳥▶Yuzu_bd1103 今はもう居ない...?かな...?...