-
産女
投稿日:170 10 6夕(ゆう)は、人間が好きでは無い。生前、お腹のやや子諸共、斬られ、土に埋められたからである。
産女となって、自分と我が子を斬った人間への復讐を果たし、どうやらそれからは大嫌いな人間への嫌がらせを時々しているようである。
そんな彼女がある日、ひとりの人間の少女を助けた。
正確には、純粋な人間ではないのだが。
彼女は少女を助け、住むところと、名前を与えた。曰く、「ただの気まぐれよ…」との事だが、恐らくは酷い目にあっている子供を放っておけなかったのだろう。
それは、「母親」としての本能だった。