中編1

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仮に、この世界の主人公が彼だったとして。

私は、村人B。いや、村人Cといったところだろうか。

それほどまでに私と彼の距離は広すぎる。

広すぎるどころではないだろう。

なにせセリフすら与えてもらえないのだから。

＿＿＿＿＿＿
物心がついた頃から私は、俗に言う遊女として働いていた。

私が身を置くその店は、ドレスローザの国王の“飾り”として駆り出される。

つまり、国王の威厳を示すための道具に過ぎないのだ。

主な仕事は、国王を含めたドンキホーテファミリーのいる城のプールで、毎日意味もなくぷかぷかと浮かんでいること。
必要とあらば、国王の膝の上へ座ったり、腕を絡ませたり、国王の側近の方々の、…その、まぁ、遊女としての仕事をするのだ。