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「買い出し行く方、この指とーまれ!です!」
時刻は正午を少し過ぎた頃。社内に明るい声が響き渡った。
「またお前は事務仕事をサボろうと!」
「これも仕事ですとも!あ、皆さん、今なら『コレ買ってきて』というものも追加で買って参ります!」
「じゃあ、首吊り用のロープ」
「合点承知です!」
「太宰!!!!」
先程まで、静まり返っている…とは言わないまでも、それなりには静かだった社内が一気に騒然とする。
あちこちで物品の名前が上がる中、はたまた怒声が聞こえる中、私は八雲さんの指に触れた。
「まだ『この指とまれ』は有効ですか?」
「もちろんですとも!少々量が多いなー、と思っていたので助かります!」
指に触れられ少し驚いた顔をした八雲さんが、パッと笑顔を浮かべる。
まだちょっと不機嫌な国木田さんをなだめて、私は八雲さんと共に赤煉瓦の建物を出た。うん、良い息抜きになりそう!
2021/01/26更新 【PROFILE (雑)】 名前 お好きなように(( 誕生日 8/1 青い鳥 @Ra_Bi_3 取説 チキンです🐔 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 【諸連...