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十七、尋ね子
投稿日:98 1 6「…誰」
戸を少しだけ開け、向こうにいる影の集団に声をかける。
「別に怪しいものでは無い。…少し捜査に協力してほしいんだ」
影のひとつが言う。
「捜査?夜遅くにご苦労なこった。」
何を探している?と問うと影は一層声を潜め「幼子を探している」と言う。
あぁ、やっぱりあいつの事か。と頭の中で呟き影を追い返す。
「子供なんて見てねぇよ。他をあたりな」
これで諦めて帰ってくれるだろうと思った。
…その考えが甘かった。
「いやいや、嘘は良くないよ少年。」
影の1つの冷静で鋭い声が森に響いた。
「素直に差し出してくれればいいものの…さすれば君の命は保証したであろうに」
声の主が指を鳴らす。それと同時にほかの影が一気に小屋の中へ押し入ってきた。