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銀メル魂
投稿日:341 0 3「………行ってらっしゃい」
小さく呟く様に口にした。この言葉を言わなければ、銀時が行かないかもしれないと浅はかなことを考えてはみたが、結局は行ってしまう。銀時はゆっくりと立ち上がり「止めないのか」と聞いた。
「止めたら行かない?」
「それは……」
「だから言わない」
行かないで。行かないで。と心では叫んでいるのに口にすることができない。
銀時が○○の頬に触れた。ゆっくりと割れ物を扱うように丁寧に触れて、○○の目頭が熱くなる。最後の最後でこんなに優しくしないで欲しい。
帰って来るか分からない相手を大人しく待つことは○○にはできない。それならいっそう手酷くやられて淡い思いを打ち砕くよう位してほしい。
「銀時のそんなところ。あたし嫌い」
「○○……」
「最後の最後で優しくしないで…」
続く