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所有者 3
投稿日:1222 5 7と、その時。
またも、ガラガラっと大きな音を立て、扉が開いた。
そこに立っていた人物は、男子バスケ部キャプテンにして、まゆの彼氏。
「今吉、先輩…!」
「よぉ、まゆ。って…なんやその格好は。」
今吉翔一だ。
彼は青峰に抱かれたまゆを見て、少々むっとしたらしい。相変わらず糸目である為、表情は読み取りにくいが。
「あ、今吉サン。」
「青峰?これはどういうことや。」
表情を崩さず、いつも通り胡散臭い笑みを浮かべながら青峰に問い詰める。
青峰は特に悪びれた様子もなく、頭をポリポリと掻いた。
「棚が倒れてきたんで、こいつ助けてやった。」
「おぉ…そうやったんか。誤解するところだったわ。ありがとうな。」
「あーんじゃ俺は帰るわ」
そう言って、青峰はぱっとまゆを離した。バランスを崩したまゆはそのまま今吉の胸にぽすっと収まった。
「…まゆ。分かっとるよな?」