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(成)
家を出て、近くの公園のベンチに座る
だんだん落ち着いてきた俺は、果琳に言ってしまった言葉を後悔した
あんなこと、言うつもりじゃなかったのに
家に戻りたくても足が動かない
泣いている果琳の顔が頭に浮かんだから
申し訳なくて、『俺が泣かせた』って実感したくなかった
1時間程して家に帰る
時間はもう1時
案の定凪は帰ってきていた
リビングから楽しそうな笑い声が聞こえる
「何だよ…泣いてねぇし」
また苛立ちが込み上げてきて、リビングに向かわず階段を上り、部屋に入った
鍵をかけて、ベッドに横になる
少しして誰かがドアをノックした
「成…?」
果琳だった
「ドア開けてよ」
果琳が何を言っても、俺は無視をした
ガキみたいだってわかっていたけど、苛立ちが抑えきれなかったんだ
果琳が、泣いているとも知らずに