#2

(泉希)

｢泉希｣

｢えっ…はい｣

｢ははっ、何で敬語？｣

｢結葵ちゃんが急に呼び捨てにするから｣

｢呼び捨て？普通じゃない？｣

平然とした顔で彼女はそう言う

｢泉希って…見た目の割に恋愛したこと無い？｣

｢無いことはないよ｣

｢あるんだ｣

｢そっちは恋愛経験豊富そうだね｣

｢まぁね｣

心が痛い

俺って馬鹿なのか？

自分で言っといて、傷つくなんて

｢ねぇ、泉希｣

｢ん？｣

｢游と玲那2人きりにしてあげない？｣

｢何で？｣

｢まぁいいから！行こ！｣

結葵ちゃんに強引に腕を引かれファミレスを出る

｢あ、私のこと結葵でいいから｣

｢わかった｣

どうしよう

夢の中で見た女の子と2人きり

心臓が口から出てきそうなくらい緊張する

並んでそんなことを考えながら歩いていると

｢結葵！｣

彼女の名前を呼ぶ男の声が空いっぱいに響いた