カノキド小説
僕は、何も思わない。
ただ、綺麗だとしか思えない。
つぼみと違って、純粋じゃないんだ。
「…修也?」
はっと慌てて振り向くと、つぼみが心配そうに覗き込んでた。
「大丈夫?つまらなかった?」
「ち、違うよ、ごめん」
すると、あ、とつぼみは声を上げた。
「夕焼け…」
少しずつ日が落ち始めていた。
江戸の町を、橙色が染め上げていく。
きっとつぼみはまた見てるんだろう。
どんな表情をしてるんだろう。
そう思いながら振り返る。
笑っていた。
幸せそうに、嬉しそうに。
きっと、僕が見たこの風景と、つぼみが見たこの風景じゃ全くの別物に映るんだろう。
僕が何も考えず、呼吸をするように生きてきた時のことも、きっとつぼみなら受け取り方が違うんだろう。
知りたいと思った。
つぼみの見ている世界を、知りたい。
素直にそう思った。
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