カノキド小説
つぼみは我慢強い。
じっと唇を噛み締めて、黙り込む。
「もー、転んだなら言ってよ」
僕はつぼみをおんぶしながら言う。
「大丈夫って言ってる」
「嘘つき。血が出てるんだし、川で洗おう」
つぼみは観念したように背中に体を預ける。
山で遊んでいたら、すりむいてしまったようで、川岸に連れて行っている。
「何でそんなに我慢するの?」
「…泣くと、母上様に怒られるから。…うるさいって」
「…ふーん」
ふーん、としか、その時の僕は言えなかった。
ただ、モヤモヤとした嫌な感情はあった。
「逃げたいとか思わないの?」
「…逃げたくても、私は他に行くところもないし、…私は弱虫だから、そんな勇気もない」
弱虫。
「…つぼみはすごいね」
「…?」
「僕は、逃げてばっかりだよ」
笑ってごまかして、辛いことから逃げて。
つぼみとは、違う。
黙って歩いていると、つぼみが口を開いた。
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