カノキド小説
「…逃げることって、悪いこと、なの?」
「え?」
足を止めてしまう。
「逃げるのは、自分を守りたいから…じゃないの?」
「…」
「修也は、自分を守りたくて逃げてるんじゃないの?」
なんのために、僕は。
「…僕は」
「私、嘘ついた」
突然、つぼみはそう言って背中から降りた。
嘘?
「えっ、と…」
「他に行くところがない、ってやつ。あれ、本当はあった。修也のところ。修也のところがあった」
うっすら微笑んで、プイと顔を背けて川へ歩き出す。
…その背中が、とても綺麗に見えた。
つぼみはどうして、そんな綺麗な言葉を僕にかけてくれるんだろう。
普段なら綺麗事として聞き流す言葉も、つぼみが言うと聞き流せない。
つぼみと一緒にいると、いろんな物がよく見えた。
街も、森も、川も、人も。
今まで僕は、何も見えてなかったんだなと思うくらい。
「…待ってよ」
つぼみの隣へ走り寄る。
_ああ、そうか。
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