つきとさき
雲一つ無い快晴。その中、月莉の心は曇りがかっている。
不安の理由は「リレー」である。リレーというチーム競技は大得点を取れるチャンスだ。足の速い月莉は参加することになっている。
走る分には別にどうでもいい。重要なのが、「私がみんなにバトンを繋げるか」だ。
ご存知の通り、月莉はクラスでも少し浮いている。何故かというと、彼女が月の世界の住人だから。
だから月莉はみんなと距離を置いているし、周りも無理に縮めようとしない。それは皆がかぐや姫の末路を知っているから。
だからといってチームワークが悪い訳ではないが、やはり住む世界が違うというだけで最後までバトンを繋げる自信がない。月莉の不安は高まるばかりだ。月莉は、そんな憂鬱な雰囲気を纏いながら木陰でひっそりとしゃがんでいた。
「つきり…だよね?大丈夫か?」
そんな感じの声が聞こえふと顔を上げると、白いはちまきの少女が立っていた。
絵描いてます。創作小説も書きます。絵描きさんフォロバします! コピック/アイビス/色鉛筆/たまの水彩 版権多めで創作もやります。過保護...