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じゃあこれはほんとに一松なのか?
開こうとした時に玄関が開く音がしてびびる。
「ただいま…」
あの病んだ声は絶対一松!!
シュババババ!とものすごい勢いで片付けた俺はなんでもない風を装って、四男に話しかけた。
「おかえりぃー、一松」
「なに汗かいてんの?」
どんよりとした瞳に見つめられ、ぞくっとした。
「いやぁ、色々あってね!そう色々!」
わざと明るく言い放つと、ケッとした顔で見られた。
「家で変なことしないでよ」
なんか誤解してる気がするけど、まぁいっか。
バレてないし!
「うん〜、気をつけるわぁ」
ヘラリと笑うと一松は興味を無くしたように居間へ行った。
「はぁ…」
もう、心臓めっちゃバクバクしてるんですけど!
廊下にごろりと寝そべった。
あぁ、もう、10年分の緊張使ったわ。
頭の中で
「お前が緊張なんてするか、バーカ」
という相棒の声がした。
ねこです。(Cat) テストじゃなく、受験生(泣 浮上できなくなってきたので、イラストだけ落とすかも フォローは気に入った人しかしません...