儚い恋 S&N # 4
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S Side
嘘だろ。
信じれなかった。
嘘だと思った。
でもにのに限って嘘はつかない。
ホントなんだ。きっと。
俺が単純じゃなかったら。
俺が素直じゃなかったら。
俺がケンカしなかったら。
俺が仲直りしてたら。
俺が、俺が…。
「翔ちゃん!翔ちゃん!待って!」
あの時のにのの声に振り返ればよかったとあとになって思った。
ボーッとしながら歩いていた。
涙が零れた。
それほど愛してるんだなあ由佳のこと。
由佳といつも別れる交差点。
寂しくなった。
ふらっと横断歩道に出た。
右から来たトラックに気付かずに。
ヘッドライトが近付いた。
大きなクラクションとともに。
そこで俺の記憶は全て消えた。
もう俺はこの世にいない。
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O P E N ☟☟ ・ ・ ・ ・ ・ 絢( あや )と言います 書き手やってます 😌💭 暇潰しにでも読んでみてください 長編から短編まで Why don...