最終話
神などという不確かなモノが存在し得るのかなど、きっと誰にもわからないであろう。
だがそれは、言うなれば、そう。
―――奇跡。
突如としてまばゆい月の光がヨザクラを包み込んだ。
あまりの眩しさに少女は思わず目を閉じる。そして、次に目を開けた時。目の前にいたのは、一匹の大きな龍だった。
「……え…?あ、あなたは…?」
身体のあちこちが傷だらけなその龍は、しかし気高く澄んだ瞳で少女を見つめ、まるであの大きな桜のように悠然と少女の問いに応えた。
「―――我が名は…ヨザクラ。この村を守る者。」
それからというもの、少女の村は不思議な龍の力により守られる事となった。
龍は春にしか人と交わることはないが、龍が桜の木となり眠る季節も、人々は毎日ヨザクラを愛で、話しかけた。
―――これは、嘘のような本当の、桜と人の絆の物語である。
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☆ ののじと申します。 マイペースに活動中です。 主にアプリゲーム。▽パズドラ(ランク671.)▽モンスト▽古の女神▽オセロニア▽ぷよクエ▽デレ...