花魁道中

• hq腐ラノ

私は10歳の時に廓に売られてきた。
私の育った村は田舎でみんな貧乏だった。兄弟も沢山いたから食べるだけで精一杯の生活をしていた。
そんな時、1人の女衒がふらりとやって来て私を買いたいと言った。
村の女の子達が男に連れて行かれると聞いていたので驚きはしなかったが、ついに私の家にも来たんだと思った。
家族の中で女では私が一番上だったので必然的に私に話が回ってきた。
私が廓に行けば、家族の生活が楽になり、お前もご飯が毎日食べられるんだよ。良い話だろ？と女衒は言った。
廓で何の仕事をするかは分からなかったが、やっぱり家族のみんなが大好きだし、貧乏から抜け出して欲しいので、私は少し考えてから、廓に行きます。と女衒に言った。
父親はすまないと泣いて、母親はごめんね。と泣きながら私にすがりついていた。他の兄弟もみんな私に泣きながらすがりついていた。
出発の日、やはり母親はボロボロと涙を零していた。