花魁道中 第二百七十三話 最終話

薫は茶色い髪の毛と茶色い瞳の色だった。椿が「父上の小さい時はこんな感じだったのかな？」と言って抱っこしている。薫を可愛がってくれている。私は今、とても幸せだ。例え、京子が密かにまだあいつの事を好いていても構わない。もう簡単に会える距離には居ないのだから。欲張ってはいけない。身の破滅を招いてしまうから。徹様にはばれていないだろうか。まだ密かに木兎様の事を好いている事を。私の目に狂いはなかった。やはり徹様は一生好きにはならない殿方だ。木兎様以上に好きになる殿方はもう私の前には現れないだろうー。