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少女の業 ミツキside.救出
投稿日:22 9 1「くっ…!」
また身体が宙を舞いながら飛ばされて行く
それをルーカス様が受け止めてくれる
…さっきからこれの繰り返しだ
ネクタイピン…場所が悪いにも程がある
指輪は手を掴めばそれで良かった…しかしネクタイピンともなると、懐に入り込む他に方法が無い
流石にそこまで油断をさせたり近付いたりするなんて…難しすぎるんじゃないか…
体力を回復させながら考え込んでいると、ルーカス様が私の肩にポンと手を置いた
「…私に提案がある。話を聞きながらで良い、少し私に身体を預けてくれないかな?」
こくりと頷き身体を預けると、ルーカス様が赤い宝石のピアスを外して、それを私の手のひらに置く
「これは…?」
「…昔、妻が作ってくれた魔法石のピアスだよ。それを少しの間持っていて欲しい。そのピアスを身につけていると、私は本領が発揮出来なくてね…」