亡国の記憶*6*
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アヤノside
自室に逃げてきた私
トクン、トクンと五月蝿いほど響く鼓動
「やめてっ…」
頭を抱えてその場にうずくまる
『俺たち…以前どこかでお会いしました?』
その声は記憶にあるものとは全く違う、男の人の声だった
腕をつかまれたとき…心臓が跳ねた
“あの頃”と変わらない黒い髪に気だるそうな瞳
身長なんて、当たり前のことだけどとっくに抜かされていて
「もう…忘れるって、決めた、のに」
彼───如月伸太郎は
私の知っている“シンタロー”ではない
だって彼には昔の記憶が
私の記憶が
……無いのだから
愛玖姫
愛玖姫(あくのひめ)です! ※投稿は出来ません…でも見てます※ アナログ絵しか書けない&出現率低いですが、 よろしくお願いします(。・ω・。)...