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投稿日:71 0 2
土「先日のことだ。お前の姉、紫崎蝶華が行方不明になった。」
『…ぇ。』
土「山崎、説明を。」
後ろに控えていた山崎が報告書を手に読み上げる。
山「はい。紫崎蝶華さんは吉原で名を鳳蝶として花魁をしていました。…数日前客が彼女の元に訪れ、その後店の者が部屋を見に行った時には既に姿は無かったと。」
「そんな……!」
麗華の顔が一瞬にして青ざめていく。口元を抑える手が震えていた。
山「目撃証言が複数あります。派手な柄の着物に眼帯をした男が蝶華さんといるのを見た。…同時刻に港に大きな船が停泊していた。おそらく誘拐かと……。」
近「山崎、もういい。それくらいで勘弁してやれ。」
山崎がハッとした時には麗華の顔色は驚く程に血の気が失われていた。