夢でもいいから.

がたん　がたん

電車が揺れる。

仕事に疲れた、人達がいっぱい。

私もその一人で、一人思いにふけってた。

微かな希望で席に座れた。

その時、電車が大きく揺れた。

立っている人が殆どの人が、嫌な顔をした。

でも私の前に立っている貴方は、嫌な顔せずにイヤ

ホンで音楽を聞いていた。

長めの髪が揺れた。　イヤホンの紐が揺れた。

私の隣に座っていた人が寝ていて私に寄り掛かった

何も言わずに、その人は元に戻った。

はぁ、と思っていた。その時、大丈夫ですか？

と、長い髪の間から、心配そうな顔をして私を見た

はい、と答えた私に、笑顔を見せ、貴方は降りてい

った。

そのたった、数秒の出来事が私にとって一生分の幸

せを味わった気がした。

どうか、また逢えますように。