38話 夜兎高校②

• 銀メル魂

「神威くんですか？...そういえば今日は見てないですね〜」

いつも保健室を訪れる生徒達は口々に「神威にやられた」と言うが、今日のみんなはそれを言っていなかった。

「やばいな...」

腕を組み小さく唸る星海坊主。

「何かまずい事でも？」

問題児神威君を警戒するのは夜兎高の教師全員共通であるが、今日の星海坊主の深刻そうな顔を見ると只事ではないと鈴音は察した。

「今日は銀魂高校がオープンスクールなんだ。...もしかしたらそっちで問題を起こしてるかもしれねぇ...」

「それはまずいですね...他校で問題を起こしたら...」



こっちの処理が大変になる。


ふたりは顔を見合わせると頷き、鈴音は救急バックを持つと保健室を後にした。