神様の言う通り( 3 ) │宮侑

【無慈悲 】


それは多分、侑の勝敗にさほど興味を持たず力を貸そうとしなかった私の事を言っているのだろう


「仕方ないじゃない、神様は人間に平等なのよ？

一人の人間に感情移入なんかしちゃダメなの。

私達【神】は常に人間を平等に愛さなきゃいけない決まりなんだから。」


そう自分に言い聞かせるようにいうと侑は小さな声で


「知っとるわ、そんなん」


と一言だけ言った


侑とて、神頼みで試合をしていた訳ではないだろう。そんなことは私も十分承知しているし、侑が神頼みで試合をするような人間でないのはこれまでの言動を見れば嫌でも分かる


彼は最初から神など頼りにしていないのだ

実際、私が侑に実は神様だと正体を明かした後でも彼が私に「勝たせてくれ」なんてお願いをした事は一度もないし

もっと言えば今回、侑が試合に行っていたことなんて知りもしなかった