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そう言って口の端が密かに持ち上がっているセンパイ、
いつの間にかセンパイの手が私の顔の横に置いてあって。
「初めて会った時に言ったこと、覚えてる?」
初めて会ったときは、たしか
なんで悲しい顔して笑うのかとか、
俺が笑わせるとか、
付き合ってとか、
それから…
思い出したことに、センパイを見ればまた不敵な笑みを浮かべていて。
「紗恵は逃げられないって言ったよね?」
「……っ、」
「だから、嘘なんて俺には通じない。分かるか?」
「嘘なんて、…」
「今のうちに、本当のこと言えよ?……紗恵」
その真っ直ぐな目に、視線を逸らしてしまうけどそれをセンパイが阻止する。
同時に、やっぱり無理かと思う。
「昨日のセンパイたちが…」
最後にはやっぱり私が負けてしまう。
真。(活動お休み
ゆるり。ふわり。ひらり。