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足を進めるから、次第にまた保健室に近づいてくる。
でも、板野先輩の声はどこか嬉しそうだった。
「禀のやつ、変わったんだよ?」
「…変わった?」
「そう、前までは恋愛なんて飾りだーなんて言ってたくせに」
「…飾り、」
「なのに今じゃね、毎日のように紗恵がー紗恵のやつーとかグツグツ言ってるの」
「…、」
「でもね、すごく幸せそうな顔するのよ」
「…え、」
「それほど紗恵ちゃんのこと、溺愛してるんだよ」
「…っ、」
上原くんにも言われたこの言葉。
その言葉に心臓が飛び跳ねるようだった。
「禀から逃げないであげて。」
それほど紗恵ちゃんが好きみたいだから、といって振り向く。
それと同時に、もう保健室についていて。
行ってきな、と笑ってくれる。
「…板野先輩、ありがとう」
そう言って、保健室のドアを開けた。
真。(活動お休み
ゆるり。ふわり。ひらり。