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いつもなら何でも言葉にできているはずなのに。
上手く表せなくなる。
「……誰か、いるの?」
そんな静かな教室に、彼女の声が響き渡る。
すごく透き通った声だった。
「ごめん、俺が残ってるけど…」
「…あの、ごめんなさい…名前わからなくて」
そう、俺の方には顔を向けずに前を向いてしゃべり続ける。
それに違和感があったけれど。
特に何かをすることは考えがつかなかった。
「俺は…賢斗。…柳 賢斗、」
「柳くん…ね、覚えた」
「君は…?」
「私は…。紬…」
一瞬ためらったのだろうか、名前を言う前に沈黙が流れた。
小さく答えたその名前が、頭の中で焼きつく。
真。(活動お休み
ゆるり。ふわり。ひらり。