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けれど、柳くんは何度かまだ少し明るみが残っているような。
目が見えないぶん、音には敏感で。
なんとなくな、曖昧だけど。
そんな感じがする。
「俺にできることってないの?」
「…え、?」
「少しでも、…紬の目になってもいい?」
その言葉に驚く。
力になりたい、手伝えないかなって。
そういうことなら何度も言われてきたけれど。
“紬の目になってもいい?” なんて。
そんなこと言ってくる人は柳くんだけ。
でも、どこにいるかわからないから。
柳くんの方に顔を向けることができない。
「…柳くん…、」
「なに?」
「同情なんて、しなくていいんだよ」
「そんなのじゃないよ。」
「だって、…見てるものが違うでしょ?」
そうだよ。
私と柳くんの見る世界は、正反対だから。
真。(活動お休み
ゆるり。ふわり。ひらり。