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久しぶりに歩く同じ帰り道。
そのはずなのに。
静まり返っていて、居心地は悪い。
「………」
「……」
お互いに口はなかなか開かない。
それなのに、私の腕は櫂に引かれたまま。
それを振り払うことなんてできない。
「ちゃんと、マネージャー出来てるじゃん」
「……うん」
「……、」
「櫂も…上手になってた」
「……だろ?」
「知らないこと…いっぱいあった」
「…うん」
やっと出されたお互いの言葉も、なかなか弾まなくて。
小さな沈黙が何度が続く。
「あのさ、…櫂?」
「ん?」
「野中さん…いい人だね」
「あー、萌と話したんだ」
「……、うん」
「頼りになるよ」
「そっか、」
櫂も当たり前のように、野中さんの名前がスラッと口から出る。
苦しさは倍に重く乗ってくる。
真。(活動お休み
ゆるり。ふわり。ひらり。