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でも、歩いているばかりで。
昨日のようにまた無言が続く。
言わなきゃ、
そう心の中で何度もつぶやく。
「…櫂、あのね」
「昨日は、…ごめん。」
「…私も…ごめんね。」
そういうと、掴んでいた腕をキュッと掴まれる。
でも、まだ掴まれた腕は離れなくて。
「あのね、櫂…私…、」
「何も、言わないで」
「…でも、これは…」
「昨日、冷たくあたったのは拓翔とかいうやつに菜々李を取られたくなかったから。」
「…櫂…?」
「野中さんのことは、もう断ってる」
「…、」
「俺は、菜々李しかいないから」
「え…?」
「菜々李が好きだから。」
「…っ?!」
私の腕を掴む櫂の手は、徐々に力が緩み下に落ちていく。
いつの間にか止まった足取り。
櫂はゆっくりと振り返り、私を見る。
その、櫂の顔はほんのり赤くなっていて。
嘘じゃないと思った。
真。(活動お休み
ゆるり。ふわり。ひらり。