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次第に私も、状況を理解してきて。
だんだんと心拍数があがっていく。

それがいいのか、わるいのか。
私の顔には熱が集まっていく。


「…か、櫂…？」

「本気だから、」

「……っ、」

「菜々李は、あいつが好き？」



そんな、問いかけに声にならず首を横に降って答える。
すると、安心したように軽く笑顔を見せる。

その笑顔のせいで、涙が出てきてしまう。
私の涙をそっと不器用に、拭う櫂に胸が痛くなる。



「私は櫂がいい…、」

「…、」

「野中、さんに取られちゃうって思って…あんなこと言った…」

「取られないよ」

「好きだから、」

「菜々李…、」

「ん？」

「菜々李、以外のものにはならないよ」

「…っ、」



帰ろうか、と言って差し出されたてのひらに。

好きって重いから。
好きは2人の想いだから。