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そんな想いがあるから。
こんなにも、いろんな思いをしてしまう。


嫌なことを言ってしまったり。
切なくなったり。
苦しくなったり。
暖かく色づけられたり。



ぜんぶそれは、好きだという一心から始まって。
たったそれだけなのに。

色んな感情と出会って。



幼馴染である上に、この繋がれた手を。
すごく幸せに感じて。

それが涙となって嬉しさがあふれる。



「あいつの前とかでは泣くなよ」

「…敵対してるの？」

「……、」

「櫂…？」

「してるよ、」

「…なんで？」

「……鈍すぎ」

「な、…櫂だって鈍いくせに」

「お前ほどじゃないから、」

「…そんな…っ」

「とにかく、あいつはだめ」

「そんなことあるんけないよ」

「…そ、」

「櫂しか見えないよ」

「…っ、」



今なら、ちゃんとわかる。
伝えなければ遅れるばかりで、何もわからない。