firstlove@11
投稿日:
313
2
1
1
朝は凄く気が重かった。
いつ、昨日のこと言われるかと思ったら気が気ぢゃなかった。
「おい。」
「…っ。な、なに?」
前野の声が昨日の記憶を蘇らせた。
「話しがある。」
「私はない。」
「俺があるんだよ。」
いきなり掴まれた手が妙に暑い。なぜかドキドキしている自分がいる。でも、これは怖いからにちがいない。ましてや恋なんて…ありえない。
手が離れたのは、人気のない階段だった。
「何?」
目を見つめる。昨日の表情とは違って、学校の時のえがおだった。
なんで笑っていられるのか。なんの話があるのか。足に力を入れないと倒れてしまいそうなほど追い込まれた。
「お前、新山って知ってる?」
新山…。
「何で?」
「お前さ、大山先輩と仲いいよな?」
「…うん。」
「俺、新山の事好きなんだよ。だから!」
「え?!ちょ、ちょっと、待って!」
頭を整理する。訳がわからない。