no title
投稿日:
31
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いつになったら死ねるのだろう
あの秋の日もそんなことを考えていた
紅く腐りかけた葉が降り注ぐ公園で
独り、ベンチに腰掛けて
先程買った辞書をペラペラと捲る
意味はない、知りたいことも
此処には載っていない
そんなことはわかっている
ひゅう、と風が吹き葉を散らす
寒い、もう冬だ
冬まで生きてしまった
そろそろ帰ろう
結局何の為に此処に来たんだか
腰を上げようとした時、後ろで
誰かが葉を踏み歩く音がした
反射的に振り向いて仕舞う
翠。
翠色の瞳と目が合った
黒髪の、制服の女の子
無感情に僕を見ている
また、風が吹いた やっぱり寒い
少女の長い黒髪が靡く
もしかしたら死ななくても良いのかも知れないと思った。
あと**日