幕間【心也が荊と呼ぶ理由】

• 天の世界

それは心也が病室で目を覚ました頃に遡る……

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｢あ、そういえば会うの初めてだよね！｣
紹介します！と言う彼女の先には、以前話した荊さんがいた。

｢あぁ、荊さん……ですよね｣
｢え！心也さん知ってたの？｣

まあ……と言って荊さんをあの時のようにまじまじと見る。
(葵暗さんとは鉢合わせないようにするんじゃ…)

凝視されていたことに気づいたからだろうか、彼はムッとした表情で
｢俺はもう『荊さん』じゃねぇ。ヴェインローゼだ。｣
と言われる。

それに付け加えるように
｢あのね、僕がヴェーゼの名前をつけたの。｣
どうかな…？と不安そうな表情をする葵暗にニコリと笑い
｢とても素敵な名前だと思いますよ｣
と言うと、その言葉に被せるように
｢当たり前だろ。宿主が俺のためにくれた名前なんだからな。｣
と先程までの仏頂面が消え、ニヤリと挑発するような顔で言ってくる。