#5
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「ね、和也、返して?ほんとに何も書いてないから。」
「宛名まで書いてあんのに文章かかねぇ奴なんているかよ」
私より少し背の高い和也の伸ばした手に握られた手紙には、届きそうで届かない。
「ほんとに返し…きゃっ、」
「おいばかっ…」
あとちょっと…そう思って私が手を伸ばしたのと和也が後ろに手を引いたのはほぼ同時だった。
「って……」
「…っごめん!今どくっ…!」
バランスを崩した私の身体は前のめりに傾き、見事に和也を押し倒すような形で床に倒れこんだ。
…だから、すぐに起き上がろうとしたのに
私の腕を引いて頭ごと抱き締めた和也の腕によって
それは遮られた。
二宮 はる
ㅤ˗ˋˏ ルーティンぶっ壊せはやくスタンバイ部 ˎˊ˗ ; Kazunari.N ; Ohmiya , Ninoai ; age 16 ◎ 重度の二宮教信仰者 ◎ next...