No.10

「鬼灯様の事ですか?仲が悪いって本当なんですね… でも、鬼灯様は白澤様の事をあまり悪いようには言ってませんでしたよ。」

〇〇の話を聞きながら、自分は本当に最低な奴だな、と白澤は思った。
もし自分が〇〇だったら、相手の事を悪く言う奴より、良く言う方に魅かれるに決まっている。

〇〇が相手だと、なぜか不器用になってしまう。

「〇〇ちゃん、ごめんね。せっかく来てくれたところ悪いんだけど、僕この後用事があるからさ。また今度ゆっくりしてってよ。」
「あ、そうなんですか?お忙しいのにすみませんでした。」
「ううん、むしろありがとう。わざわざこんな遠くまでお礼に来てくれて。」

白澤はこれ以上嫌われたくなくて、嘘をついて〇〇を帰らせた。