firstlove 6
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『俺、そこの席じゃなくてあそこの席がいいです』
そういって連が指さした場所は
わたしの席の真後ろ。
「なんだ、早坂。知り合いがいたのか?」
「いや、ちょっと目が悪いんで。ちょうど前のほうの席いないみたいだし?」
先生がうーん、と頭をかしげながら考えている。
「そうだなぁ。早坂は転校生だし、早くクラスになれるためにも、好きな席にしてやった方がいいだろう。よし、いいぞ」
先生が蓮に笑顔を向けた。
先生が悩んでいた理由。それはたぶん、蓮が座ることになった席、つまりわたし真後ろの席は、いないのではなくて、来てないのだ。
いわゆる、不良。だから先生もあまり学校にこないあいつよりはと、承諾したのだろう。
それはそうと…、ど、どうしよ…。
なんで、蓮。わたしの席の後ろがいいなんて、いったんだろ。
わぁあ、理解不能!!
トン…
「よろしくね、如月さん」