幸せガールとおじいさんそのご
投稿日:
148
1
0
1
私が聞き返すと少女は腰掛けからジャンプして空中で一回転したのち柵すれすれの所に私の方を向いて着地した。
「おじいさん、幸せっていうのが一体何なのかはあたしもわからないけど、幸せはこの広いようで狭くて、狭いようで広い、この世界にたっくさんあって、あたし達がそれに気づくかどうか何じゃないかな?あとはっきり言えることが一つあるよ。自分は不幸だ不幸だって思った人には幸せなんて見つけっこないよ。おじいさんには知識も経験もあるんだからたくさん幸せを見つけられるはずだよ」
…………私の中で何かがまた火が灯った。それは小さいものだけど私にとっては途轍もなく大きなものだった。
「ふふ、お嬢さんに教わるなんて私もまだまだのようだ」
と私がほんの少し目をつむって感傷に浸っていた間に少女はいなくなっていた。
つむっていた時間は一秒にも満たなかったというのに。
ふふ、ほんと不思議なお嬢さんだ。
もしかしたら、私に幸